はじめまして。朝霞のちいさな鍼灸整体院代表の西尾正範と申します。今回は『整体』『接骨院・整骨院』『カイロプラクティック』の違いや選び方に関してお伝えしていきます。
資格や技術の違いの中身とは
まずは、違いに関してからお伝えしますと、『資格や技術』の違いが大きなところです。それぞれご説明いたします。
カイロプラクティック
資格
民間資格。日本では、カイロプラクターは国家資格ではなく、民間資格ですので、知識や技術の個人差が大きいです。アメリカなどに留学して現地の国家資格を取得できる(ドクターオブカイロプラクティック、D.C)。
そのためには、医師と同じように7年ほど大学などに通い、資格取得の試験に合格する必要があります。日本国内に1万人以上いるカイロプラクターの9割以上はこの資格を有していません。そして、特に脊椎の矯正による事故が多発しているため、厚生省から頚椎へのスラスト(ひねってボキッと鳴らす矯正)は禁止されています。
技術
体の不調はすべて、脊椎に原因があると考え施術を行ないます。特に頚椎の異常が体の不調のすべての原因として捉えています。脊椎のゆがみ・サブラクセーションに対する施術を行います。首や体を捻って矯正するものや、局所に手を当てて刺激を加えて矯正するものや、アクチベーターという器具を使って矯正するものなどがあります。
接骨院・整骨院
資格
柔道整復師(国家資格)です。専門学校に3年間通い国家試験に合格すると取得できます。もともとは骨折、脱臼、捻挫、打撲のみを診療するための資格です。そして、健康保険を受領委任払いとして利用できます。ですので、保険適用の場合は、お客さまは窓口での負担額は1~3割です。だいたい1,000円未満です。
薄利多売で、簡単な施術を提供するだけにとどまり、本当の治療を追い求めているところは数少ないです。ですが、保険の適用となるのは、骨折、脱臼、捻挫、打撲のみです。これ以外での保険請求は通りません。意外に思われるかもしれませんが、肩こり、腰痛、腱鞘炎や膝関節痛などは保険適用ではありません。今現在の柔道整復師のレベルは非常に下がっています。巷を騒がすような不正請求、保険金詐欺、わいせつ事件などを起こすようになってしまっています。このような人は一部ではありますが、専門学校設立の規制緩和がなされ、学校が乱立し、そのため各学校は経営のために入学希望者を手当たり次第入学させても定員割れを起こしています。
学力低下ももちろんですが、人を救う医療人としての資質に欠ける人も多くなっています。人の体を良くしたいという熱意がない人も入学して資格を取得し、なんとなく職に就いていることもとても多い状況です。
技術
国家資格ではありますが、学校では技術的なことはほぼ教わりません。学校で教えるのは時代に沿わない骨折や脱臼の整復法がメインです。腰痛、肩こり、頭痛その他の症状に対応するためには、各種手技を教えている協会などで修得します。なので、一括りに接骨院、整骨院といっても対応可能範囲がバラバラです。
現状では、安いグレーゾーンの保険内で15分ほどもんでほぐしてマッサージをしたり、根拠のない骨格、骨盤矯正などで別料金を取るというふうになってしまっています。整骨も接骨も違いはありません。開設時にどちらの名称で届け出を出すかの違いのみです。整体、カイロプラクティックの手技を扱うこともあります。
整体
資格
カイロと同じで民間資格です。整体、カイロ、リラクゼーション、もみほぐしなどの日本の民間資格は特に規定がありません。よって、どんな療法でも、どのくらいの習得期間でも民間資格として名乗れてしまいます。意外に多いのが数週間~数か月のちょっとした講習のみで独立開業されているケースもあります。施術の方法はある程度習得できていても、基礎医学や臨床医学、緊急を要する重篤なケースなどの知識を得ていないことも多々見られます。
技術
カイロは背骨をメインに考えますが、整体は全体から原因を探ります。手法は流派や考え方によりまちまちです。ただ単に凝っている硬いところをグイグイもみほぐすものもありますし、ストレッチを多用するものもあります。
まとめ
『接骨・整骨院』『整体院』『カイロプラクティック』この3つの中では、唯一『接骨・整骨院』を開業できる柔道整復師のみ国家資格です。ですが、国家資格といえど、近年は人間性、専門家としてのレベルは著しく低下しているので、国家資格を持っているから確か、ということはありません。その中から確かな治療を選ぶときに要注意なのは、
- 『5,000円以下の料金設定』
←価格に見合った技術、知識、実績がない。 - 『元気、明るさを売りにしている』
←治療技術をごまかす。 - 『色々なイベントを行っている』
←良くなるから行くという目的から逸れる。 - 5店舗以上展開している
←スタッフ全員の高水準を保てない。
この3つのどれかが当てはまる場合は、治療技術を売りにできないところですので、お気をつけください。