心と体はつながっています。
だから、心の不調が腰の不調として現れるのは誰にでもあろうことです。めずらしいことではありません。
たとえば、ストレスや悩みを抱えていると胃がチクチクと痛むことがありませんか?それと同じで内心、嫌だなと思っていることを行うときや、周りからプレッシャーを受けているときなどにそのストレスが体へ伝わって腰が痛くなるのです。
会社や学校に行く前や大嫌いな人に会うときど、特定な状況下で腰痛が出るケースもあります。気持ちの持ち方やその時々の心理状況によって症状が出たり、症状の程度が左右されたりします。
痛みが1カ所ではない
精神的ストレスが背景にある腰痛の場合、痛みが1カ所だけでなく腰や背中の複数の部位に痛みが出ることがあります。
また、腰だけではなく頭も、肩も、首も痛い、夜も眠れないし吐き気もするといったように、全身のあちこちに不調が散らばっている場合もあります。日によって痛む場所が移動することもあったりします。
病院に行っても相手にされない
このような症状を病院で検査を受けても、何の異常も見つからないことが多くシップや痛み止めを出されて終わりということが多いと患者さんからよくお聞きします。
安心してもらいたいのはこうした症状にもしっかり原因があります。その原因にしっかりあった治療さえ行えば十分に治すことができます。
心の問題がなぜ腰に出るのか?
心の不調が身体的症状に現れる病気を「心身症」といいます。その中で代表的なのが「自律神経失調症」です。これには自律神経のバランスの崩れが深く関わっています。
自律神経
自律神経は全身に網目のように張り巡らせれ、発汗や体温、呼吸、内臓の働きなどを調整している神経です。
交感神経・・・心身が緊張した時に優位になる(がんばるモード)
副交感神経・・・心身がくつろいだ時に優位になる(リラックスモード)
この2つに分けられます。
自律神経失調症のメカニズム
最近、この自律神経が「がんばるモード」ばかりになっている人が増えています。がんばりすぎてしまいストレスが溜まっているために、自律神経のバランスが交感神経にばかり傾くようになってしまっているのです。
この状態が続くと血圧や心拍数が上がり筋肉が緊張します。一方、血流は悪くなり内臓の働きも悪くなります。そうすると循環が悪くなり体のあちこちの器官に大きな負担がかかることになっていしまいます。
腰も緊張しっぱなしで血の巡りが悪い状態が続いたら「痛み」という症状に出てきます。心因性の腰痛を訴える方は、たいていの場合自律神経が交感神経側に極端に偏っています。
この自律神経が過敏になっていると、通常よりも痛みを感じるセンサーが強く働くようになり、少しの症状でも強い痛みを感じるようになってきてしまいます。
解消していくためのポイント
まずは精神的ストレスを解消する。
そういわれてもなかなか難しいかもしれませんが、普段の生活を見直し、頑張りすぎている部分に少しだけでもいいのでブレーキをかけるようにして意識的にリラックスしていくように向けることが大切です。
なお、心の深い部分に悩みやストレスを抱えている場合は、心身症の専門である心療内科を受診することも必要になってきます。
体のゆがみを整える
心の問題が解消できても体のゆがみがあると自律神経の流れも悪いままなので仙腸関節や腰椎、それ以外もバランスが悪くなっていないか一度チェックして整えていくことで不調が改善され、そのことがより心のストレスを解消するのに繋がっていきます。
まとめ
- 心と体はつながっていて精神的な状態で痛みの場所が変わったり数か所痛くなったりする。
- 自律神経のバランスが大切
- 精神的ストレスが原因の腰痛はまずはリラックスすること。それと体のゆがみを整えていくことが大事